適応障害で休職して転職しようと思っているけど、やっぱり難しいの?
転職を成功させるためなら病気や休職の経歴を隠してもいいの?
また、転職を成功させるための方法も合わせて知りたい。
こういった疑問にお答えします。
- 【リアル】適応障害で休職した人の転職は本当に難しい話
- 適応障害で休職した場合、隠して転職活動するのはやめるべき
- 適応障害で休職した人が転職を成功させる方法
この記事を書いている私は、適応障害で現在も休職しており、約7ヶ月が経ちました。記事執筆時点(2020年8月)も転職活動を継続しており、適応障害で休職した人の転職活動のつらさを実感しています。
休職している人のよくあるお悩みで「適応障害で休職して転職したいけど、難しいのかな」ということがあります。
という訳で今回は、「適応障害で休職した人の転職が難しい理由、隠して転職活動しない方が良い理由、転職確率を上げる方法」について説明していきます。
【リアル】適応障害で休職した人の転職は本当に難しい話
「メンタルヘルスに悩む人や休職した人は転職活動が厳しい」と一度は聞いたことがあると思います。
残念ながら、本当の話です。
実際に私も休職中に転職をしており、厳しさを痛感しています。
そこで、私の転職活動の経験をもとに、適応障害で休職した人の転職活動が難しい理由について説明します。
会社からの信用が低くなる
適応障害で休職すると、会社からの信用が低くなります。
適応障害はストレスによって引き起こされる症状なので、会社は「ストレス耐性が低い人」という印象を持ちます。
適応障害に限らずメンタルヘルスで悩んでいる人は、どんなに弁明しようとも「元気に働いて、会社に貢献できる」という証明ができません。
つまり、転職活動中に会社の信用を改善することは困難なのです。
会社の信用が低くなることで一番影響を受けるのが書類選考です。
書類選考では、「適応障害で休職しているが、現在は社会復帰可能である」といった内容しか伝わらないため、マイナスの印象がより強くなってしまいます。
病歴や休職歴がある人は、書類選考で落とされる確率が高いことを覚悟しなければなりません。
正直に言って、職歴が優秀でも会社の信用を回復するのは難しいです。
通常であれば、今まで経験してきたことや実績をもとに転職活動を進めていきますが、精神疾患で休職した人が経験をアピールしても、「似たような仕事を任せたら体調を崩すのでは」と不安に思われてしまいます。
そのため、病歴や休職したことがある人は経験や実績があっても会社の信用アップにならず、転職活動が楽になるとは限りません。
もちろん、未経験や第二新卒はポテンシャルや成長を見込んで採用する枠なので、病気や休職したことがある人はかなり難しくなります。
適応障害の人を採るメリットがない
会社としては、適応障害などのメンタルヘルスで悩む人を採用してもメリットがないというのが本音でしょう。
適応障害などの精神疾患を抱える人の採用を検討するときにデメリットと思われるポイントは以下のようなものがあります。
- 元気で働けるかわからない
- 再発して休職する可能性がある
- 仕事内容や働き方を合わせてあげないといけない
特に職場や身近に適応障害などのメンタルヘルスで悩む人が居たことがない場合、マイナスの印象が強いでしょう。
不平等に感じるかもしれませんが、皆さんも求人を出している会社の立場になって考えてみましょう。
会社は利益を出すことが使命です。多くの利益出すためには、それぞれの社員がベストパフォーマンスを出して、貢献してもらう必要があります。
そのため、適応障害などの症状でパフォーマンスに不安がある人を採ろうとは思いません。
病気というだけで不採用にするのはダメでしょ?
と思うでしょう。
確かに、厚生労働省は公平な採用選考を企業に求めています。
厚生労働省が掲げる公正な採用選考の考え方は以下の通りです。
採用選考の基本的な考え方
・応募者の基本的人権を尊重すること
・応募者の適性・能力のみを基準として行うこと
厚生労働省 公正な採用選考の基本
そのため、応募者に適性や能力があり、業務を遂行できるようであれば病歴を理由に採否を決めてはいけないことになっています。
ここで重要なのが、「応募者に適性や能力がある」という内容です。
応募者のメンタルヘルスの病歴や休職歴を知った会社は、「応募者に適性や能力がない」と判断して不採用とするのです。
採用の自由は会社側にあり、不採用理由を細かくフィードバックする義務もありません。
つまり、適応障害などの精神的な病にかかった時点で、転職活動は大きく不利になるのです。
適応障害で休職した場合、隠して転職活動するのはやめるべき
上記の内容を読んだ人の中に、
休職や病気のことを会社に言わなければ、転職できる確率が上がるのでは?
と思う人もいるでしょう。
確かに、休職や病気のことを隠せば選考の通過率は上がります。
しかし、病気や休職のことを隠して転職すると転職後に影響が出る可能性があるので、応募時にしっかりと伝えることをお勧めします。
入社後にトラブルの原因となる
入社後に病気や休職の事実を知るとトラブルの原因になることがあります。
発覚するケースとして、以下の状況が考えられます。
- 源泉徴収票の確認
- 症状の再発
- 健康診断
過去の病歴は個人情報なので採用時に伝える必要はありません。会社も面接のときに詳しく聞いてはいけないことになっています。
しかし、会社によっては採用後に病歴を伝えるのは経歴詐称、病歴詐称と捉えられ、解雇や退職を勧めるケースもあります。
仮に問題にならなくても、後から病気や休職のことを聞いた会社はあなたに対して不信感を持つでしょう。
会社とのトラブルを避けるには、自分の病気や休職の事実を伝えて、理解ある会社に転職するしかありません。
自分に合わない会社に就職する可能性が上がる
病気や休職の経歴を隠すことで転職の可能性は上がるかもしれませんが、代わりに自分に合わない会社に就職する可能性が上がります。
メンタルヘルスの病歴や休職歴を知ってマイナスイメージを抱く企業の考えは以下のようなものがあります。
- 元気に働けるかわからない
- ストレスに弱い
- サポートできる環境が整っていない
- たくさんの応募者からわざわざ採る理由がない
病気のことを知らない転職先の職場で残業や働き方の配慮を受けることは出来ません。
また、病歴を隠して入社した場合、再発の兆候があっても周囲に相談することができません。
さあ、病気や休職のことを伝えて入社した会社と隠して入社した会社、どちらの方が安心して働くことができますか?
会社が自分の病気や休職のことを知ってくれているというだけで少し安心できますよね。
転職すると職場環境や人間関係が大きく変わるので、変化を望んでいた人であっても大きなストレスが掛かるでしょう。
人によっては環境変化によるストレスで体調を崩す可能性もあります。
そんなときに、周囲に相談したりサポートしてもらえる環境がなかったら、症状が再発し、悪化する原因となります。
応募するときに病気や休職したことを伝えて落ちた会社は、そもそも安心して働ける環境ではなかったと割り切って考えることが大切です。
病気や休職のことを伝えても内定をくれた企業は、本当に必要としてくれている企業ですよ。
適応障害で休職した人が転職を成功させる方法
ここまで読んだ方の中には、
私はメンタルヘルスの病歴もあるし休職もしたから、転職はできないんだろうな
と落ち込んでしまったかもしれません。
そこで、私が転職を成功させるために実践していることを共有したいと思います。
参考になれば嬉しいです。
多くの求人に応募する
適応障害で休職した人が転職するためには、応募数で勝負するしかありません。
私が利用している転職エージェントによると、適応障害などのメンタルヘルスで休職した人は、書類選考で9割近く落とされるそうです。
そのため、残りの1割の会社を引き当てるには、とにかくたくさん応募するしか方法はありません。
気になる求人を増やすには大手の転職エージェント経由で紹介してもらうことをお勧めします。
理由は二つあります。
- 大手は求人数が多く、気になる求人がある可能性が高い
- メンタルヘルスで休職した人でも書類添削や面接対策を受けられる
メンタルヘルスで休職した人は書類選考で9割落ちるので、たくさん応募しなければ転職することは出来ませんが、興味のない求人に応募して転職しても、それは転職成功とは言えませんよね。
そのため、求人数をたくさん持っている大手の転職サービスを利用することで、興味のある求人を見つけられる確率を上げましょう。
サポートの質や紹介求人の傾向は転職エージェントに左右されるので、複数の転職エージェントに登録して、その中から自分に合うエージェントを選びましょう。
私が利用した4つの転職エージェントを載せておきます。
※マイナビのプロモーションを含みます。
私は上記の転職エージェントと面談をした結果、「doda」と「リクルートエージェント」の2つを利用しています。
転職エージェントについてもっと詳しく知りたい人は、こちらの「【必見】適応障害で休職した人は転職エージェントを使うべき」をご覧ください。
一度復職をしてから転職活動を並行する
メンタルヘルスが理由で休職した人の転職活動は、長期化する可能性が高いです。
なぜなら、上記で説明した通り、書類選考がほとんど通らず、9割近く落ちるからです。
人によっては会社が定めた休職期間中に転職先が決まらないことがあります。
その場合、一度復職をしてから転職活動を並行するのも一つの手として考えてみましょう。
復職して転職活動をするメリットは以下の通りです。
- お金の心配がなくなる
- 焦りがなくなる
- 企業からの印象が良くなる
復職することで、お金や休職期限に追われる心配がなくなるので、転職の焦りが少なくなります。
また、「休職 → 転職」の場合、採用する企業としては「本当に働けるのかな?」と心配になります。
一方、「休職 → 復職 → 転職」の場合、復職して元気に働けることを伝えられるので、企業の印象も少し良くなります。
復職をするということは、休職する原因となったストレス環境に戻って働くので、当然再発のリスクは高まります。
休職中に転職を希望する人の多くは、現在の職場にストレス原因があり、戻ることが困難だからですよね。
そのため、職場に復帰する前にストレス原因を明確にし、ストレスを避けられるような調整をお願いしましょう。
復職について気になった人は、こちらの「【まとめ】適応障害で休職したときに会社と相談すべきこと」の記事をご覧ください。
という訳で今回は以上です。
正直、適応障害などのメンタルヘルスの症状で休職すると、転職活動は難しいです。
症状が回復して本人にどれだけ働く意思があっても、元気で働ける証明ができない以上、企業は信用してくれません。
転職は茨の道ですが、現在の職場に戻りたくない人は覚悟を決めて粘り強くいきましょう。