休職して復帰するときに異動したいけど、できるの?
異動の可能性を上げるためにできる事を知りたい。
もし異動ができなかった時の選択肢も合わせて知りたい。
こういった疑問にお答えします。
- 休職者の異動が難しい本当の理由
- 異動を叶えるために必要なこと
- 異動ができないときの選択肢
この記事を書いている私は、適応障害で現在も休職しており、約7ヶ月が経ちました。「適応障害で休む→ 異動交渉 → 復職 → 再発 → 休職 → 転職活動」を経験しており、実際に会社と異動の相談もしたことがあります。
休職している人のよくあるお悩みで「復職するときに異動したい」ということがあります。
という訳で今回は、「異動が難しい理由や異動するためにすべきこと、異動できなかった時の選択肢」について説明していきます。
休職者の異動が難しい本当の理由
休職を経験した人の中で、「異動をお願いしたけど叶わなかった」という人は多いと思います。
実際、私も適応障害で休み、復職するときに異動をお願いしたのですが、実現しませんでした。
後々、産業医や管理職の人に話を聞いたところ、異動が難しい理由について教えてもらうことができたので、お伝えしたいと思います。
就業規則で定められている
休職制度がある会社では、休職と復職のルールは就業規則に定められています。
会社によっては復職の条件で、「復職先は原則的に休職前の職場とする」のように定められていることがあります。
このような場合、元の職場に復帰せず、そのまま異動するのは困難です。
就業規則に「復職先は原則的に休職前の職場とする」と定められている場合、異動させるのが難しいので、まず元の職場に復職して、働きながら異動を待つことは出来ます。
一見、就業規則にも違反していないし、働きながら異動を待てるなら休職者として嬉しい方法だと思います。
しかし、この方法には以下のようなリスクがあります。
- 異動先が見つかるとは限らない
- 異動を待つ期限が不明確
- 希望を伝える機会が少ない
私も「働きながら異動先を探す」という条件で元の職場に復職しました。
しかし、いつまでたっても異動の話は進まず、一年経っても異動先は決まりませんでした。
結局、復職から一年後に症状が悪化し、休職することに...
後から聞いた話ですが、私の異動希望というのは人事に伝わっておらず、そもそも異動の話がなくなっていたのです。
元の職場に戻るのがつらい人は、働きながら異動先を探す選択肢はやめた方が良いと思います。
受け入れ先がない
異動が叶わない要因として、受け入れ先がないというのが大きいです。
休職して再発リスクのある社員を高い人件費を払って部に迎え入れますか?
おそらく、ほとんどの人がNOと答えるでしょう。
会社は社員に対して人件費に見合った、あるいはそれ以上のパフォーマンスを発揮して、より多くの利益を出してほしいと考えています。
そのため、働き方に配慮したり、気を使わなければならない社員を積極的に受け入れたいと思う職場は少ないですよね。
私が会社で聞いた異動の話は、以下のようなケースでした。
- 昔いた職場に戻った
- 付き合いのある部長の部署に行った
- 所属は元の部署で、研修という形で隣の課に行った
これらの異動例は、社内の繋がりや理解のある管理職がいないと成り立たないものばかりです。
特に入社してから1~3年の人は経験や実績がなく、他部署の繋がりがないので、異動するのは難しいでしょう。
異動を叶えるために必要なこと
上記で、休職から異動できる可能性は低いことを説明しました。
もう異動はできる可能性はないのか
と不安になった方もいると思うので、少しでも異動できる可能性を高める方法を紹介します。
休職中から異動の相談をする
休職して体調が回復してきたら、会社と異動の相談をしてみましょう。
社員を異動させるには社内の調整に時間がかかります。
そのため、復職直前に異動の意思を伝えるのではなく、前もって伝えておくことで異動先の調整などが円滑に進むことがあります。
異動の相談をする際に、会社に伝えることは以下の通りです。
- ストレスの原因
- 元の職場に復職できない理由
- 異動先の希望条件と理由
異動をお願いするときに、「元の職場に復職できない理由」が理にかなっているかが一番のポイントとなります。
そこで、ストレス原因と元の職場に復職できない理由を結び付けて説明すると説得力が増します。
・ストレス原因:上司との合わない
・理由:有休が取得できない、業務に関係ないことを強要、責任転嫁など
・証拠:勤怠管理、周囲の声、メモなど
・復職できない理由:業務以外にも支障があり、上司と同じ職場にいる限りストレスが続くため
これは実際に私が会社と相談した時の内容の抜粋になります。
このように会社と相談する前にいったん自分の中で整理してみると、伝えやすくなると思います。
元気に働けることを証明する
会社として休職者を異動させるときに心配になるのが、「新しい環境で元気に働けるのだろうか」ということです。
休職中に働けることを証明するのは難しいのですが、以下のようなことを伝えて信用を得られるように努力してみましょう。
- 勤務時間に合わせて生活できている
- 定期的に状況を報告する
- 定期的に通院する
異動願いを叶えるためには、人事や異動先の管理職に「環境を変えれば問題なく働ける」ということを理解してもらう必要があります。
休職中の生活は会社の人が知ることができないので、復職に向けて準備していることや再発予防のために通院していることを伝えて、少しでも信頼を得られるようにしましょう。
異動ができないときの選択肢
会社と異動の相談をした結果、「異動ができない」となったっ場合の選択肢は二つあります。
- その①:現在の職場に復職
- その②:転職活動
それぞれについて説明していきます。
その①:現在の職場に復職
元の職場への復職は、仕事内容や雰囲気を知っているので、環境変化のストレスが少ない選択肢になります。
復職に向いている人は以下の通りです。
- 仕事内容にストレスを感じない
- 環境を大きく変えたくない人
- 体調に不安がある人
元の職場に復職すれば仕事内容が変わらないので、今までの知識や経験を活かすことができます。
仕事内容や勤務地、福利厚生などが変わらないので社会復帰はしやすいと言えるでしょう。
また、復職するとしばらくは体調に配慮してもらうことができるので、体調に不安がある人や社会復帰が怖い人にとっては安心できます。
逆に、復職に向いていない人は以下の通りです。
- 人間関係にストレスを感じている
- 職種や業種が合わない人
- 環境を大きく変えたい人
職場の人間関係で悩んでいた人は、復職することで再び同じ悩みに襲われる可能性が高いです。
復職時に担当プロジェクトの変更や業務の変更はできる可能性はあります。
しかし、そもそも会社の業種(業界)や元の職場の職種が合わない人は、復職してもストレスを抱えることになるでしょう。
業種:製造業は合わない
職種:営業の仕事は合わない
復職は、良くも悪くも大きく環境が変わることはありません。
人間関係や仕事をリセットしたい人は、転職をおすすめします。
復職しようと考えている人は、復職前に職場と相談をして休職する原因となったストレスから離れられるような調整をお願いしましょう。
対策をせずに復職をすると、休職の原因となったストレスが再びかかることになります。
休職後はストレス耐性が下がっているということもあり、過度のストレスがかかると症状が再発し、休職を繰り返してしまう可能性があります。
そのため、必ずストレスが掛からない環境を整えてから復職するようにしましょう。
その②:転職活動
異動が叶わず、現在の職場に復職するのがつらい人は転職活動をしましょう。
転職活動はストレスも多いですが、環境を大きく変えることができます。
転職活動に向いている人は以下の通りです。
- 環境を大きく変えたい
- やりたい事や挑戦したいことがある
- 人間関係にストレスを感じていた
転職のメリットは人間関係をリセットできる事です。
仕事は今までの経験を活かすこともできますし、キャリアチェンジをして興味のある仕事に挑戦することもできます。
転職は復職や異動よりも選択の幅が広いので、自由に環境を選択することができます。
逆に、転職活動に向いていない人は以下の通りです。
- 十分に体調が回復していない人
- 自己分析ができていない人
転職活動は働いていた時とは違うストレスがたくさんかかります。
転職先が決まっても、環境が大きく変わるので慣れるまではストレスを感じるでしょう。
また、転職先では体調の配慮を受けることができないので、配属された初日から他の社員と変わらないように働くことになります。
十分に体調が回復していない場合、転職活動のストレスで体調を崩してしまう可能性も...
転職活動をしている人は、「早く社会復帰をしないと」と気持ちが焦ってしまい、転職することをゴールにしていることが多いです。
こういう場合、大抵入社してから「イメージと違った」、「自分に合わない」と感じることでしょう。
休職した人が自分に合った会社に転職するためには、自己分析をしてストレスの原因や自分の適性を把握する必要があります。
転職を失敗したと感じる多くの人が自己分析不足で、自分に合った働き方や仕事を選ぶことができなかった事が原因です。
休職してからそのまま転職するのは、かなりハードルが高いことを覚悟しておきましょう。
正直に言うと、「休職した」という経歴は転職において不利に働くのは間違いありません。
特に、書類審査で顕著にあらわれます。
私も休職中に転職活動をしていますが、書類審査が全く通りません。
受けたい会社や気になる会社があっても面接まで行けない可能性が高く、自分の希望する会社に転職できない可能性もあります。
という訳で今回は以上です。
異動は会社の負担も大きく、正当な理由がなければ実現は難しいでしょう。
異動以外の社会復帰の方法として復職と転職を挙げました。
どちらの選択肢にもメリット・デメリットがあるので、自分に適した選択肢を選びましょう。