「このまま会社にいても、よくなる気がしない…」
「でも、今の状態で転職なんて本当にできるのかな?」
適応障害を経験すると、
「転職したほうがいいのか、それとも今はやめておくべきか」
で迷うことが多いですよね。
私も何度も、転職する・しないで悩みました。
焦って転職活動を始めて失敗したこともあれば、一度立ち止まったことで、うまくいったこともあります。
この記事では、
- 適応障害のときに転職を「やめる」という選択肢もアリな理由
- 実際に私が失敗・成功した体験談
- 「転職すべきか、まだ早いのか」の判断ポイント
について、経験ベースで丁寧にお伝えします。
「転職したいけど、今じゃない気もする」
そんな気持ちを抱えるあなたの、ヒントになればうれしいです。
転職しないほうがいいケース|無理に動かない選択もある
「もう無理かも…」
「今すぐ辞めたい」
そう思うことは、とても自然なこと。
でも、焦って動くより、いったん立ち止まることが、結果的に良い方向に進むこともあるんです。
私自身も、何度も「辞めたい」「転職したい」と思った時期がありました。
でも、無理に行動しなかったことで、うまくいった場面もありました。
ここでは、「今は転職しないほうがいいかもしれないケース」をいくつか紹介します。
体調がまだ安定していないとき
適応障害の回復には、時間と安定した環境が必要です。
もし今、
- 寝ても疲れが取れない
- 会社に行くだけで動悸や吐き気がする
- 気分の波が激しい
といった状態があるなら、転職活動はちょっと待ってもいいかもしれません。
無理に面接を受けたり、新しい環境に飛び込むことで、再発や悪化のリスクが高まってしまうこともあります。
転職活動がしんどく感じるときの向き合い方は、こちらの記事も参考にしてください。
転職活動って、ほんとうに疲れますよね。 とくに、適応障害で心や体がまだ万全じゃない状態だと、たった1通の不採用通知や、求人検索するだけでもぐったりしてしまうことがあります。 「転職しなきゃ」 と頭ではわかっていても、なかな[…]
焦りや不安だけで動こうとしているとき
「今の会社がつらいから、早く抜け出したい」
その気持ち、痛いほどわかります。
でも、転職の軸が定まっていないまま動くと、また合わない職場を選んでしまうこともあるんです。
私も1回目の転職活動では、
「とにかく今の職場から逃げたい」
と思って行動し、失敗してしまいました。
今つらいからといって、「すぐ辞める」が最善とは限りません。
自分を責めすぎているとき
適応障害を経験すると、
「自分が弱いからうまくいかないんだ」
「社会人失格かも…」
といった思考に陥りやすくなります。
でも、自分を責めたまま転職活動を始めると、自己肯定感が下がったままになり、面接や選考でも自信が持てず、うまくいかないことも。
まずは、少しだけ心を整える時間を取ってみてください。
「何もしていない自分」を責めたくなる気持ち、よくわかります。
でも、無理に動かないことは“逃げ”じゃありません。
それは、
“今の自分を守るための、前向きな選択”
なんです。
実際に私も、焦って転職活動してうまくいかなかった経験があります。
でも、そのあといったん落ち着いて自己分析をし、条件を整理してから再チャレンジしたことで、納得のいく転職ができました。
転職を考えてもいいケース|自分を守るための選択肢
「転職しないほうがいいケースもある」
とお伝えしましたが、
もちろん、転職を前向きに考えていいケースもあります。
私たちはどうしても、「今の職場でがんばるのが正解」と思い込みがち。
でも、我慢や根性だけで乗り越えるべきではない場面もあるんです。
ここでは、私の経験も踏まえながら、
「転職という選択が自分を守ることにつながるケース」
をご紹介します。
会社に復職できる環境が整っていない
たとえば、パワハラのあった部署にそのまま戻されるとか、
「無理せず」
と言いながら配慮のない対応をされるような場合。
そんな職場に戻っても、また同じストレスがかかって再発する可能性があります。
実際、私も1回目の復職では環境がまったく変わっておらず、1か月ほどで再び体調が悪化してしまいました。
もしあなたが
「またあそこに戻るのは怖い」
と感じているなら、その感覚は正しい危険信号です。
環境を変える決断については、こちらの記事でも体験談を紹介しています
「休職中に引っ越しって、しても大丈夫なの?」 「体調が安定しない中で、そんな大きな決断していいのかな…。」 そんな不安を感じている方も多いと思います。 私も、適応障害で休職していた9ヶ月目に、地元へ引っ越すことを決めました[…]
会社にい続けることが自己否定につながっている
復職したけれど、周囲からの視線が気になってしまう。
腫れ物扱いされたり、「また休むんじゃないか」と思われている気がする。
そんな状況が続くと、どんどん自信を失ってしまいます。
「ここにいてもいいのかな」
「迷惑をかけてるんじゃないか」
そう思いながら働き続けるのは、精神的にとてもつらいもの。
あなた自身を大切にするためにも、
「離れる」
という選択が必要なときもあります。
自分の働き方を見直し、前向きに動けそうなとき
自己分析などを通して、
「自分にはこういう働き方が合っているかも」
と気づけたときは、転職を前向きなステップとして捉えるチャンスです。
実際に私は、
「リモート勤務×人との関わりが少ない仕事」
が合っていると気づいたことで、転職の軸が明確になり、活動の方向性がブレなくなりました。
「逃げ」ではなく、「自分らしく働くための選択肢」として、転職を考えてもいいんです。
転職活動を支えてくれる人・サービスがあるとき
「全部一人で抱えなきゃ」
と思うと、転職活動は本当にしんどいです。
でも、転職エージェントや、話を聞いてくれる友人など、少しでも頼れる人やサービスがあるなら、安心感を持って動けます。
私も3回目の転職では、まずエージェントに話を聞いてもらったことで、気持ちが整理されて、一歩踏み出せました。
「相談するだけ」でもOKなので、一人で抱え込まずに使えるものは使ってみてください。
「転職したい」
と思う気持ちは、あなたが今の自分を大切にしようとしている証拠です。
もちろん、焦って決断する必要はありませんが、
「転職=甘え」とか「逃げたら負け」
と思い込む必要もありません。
あなたにとって今いちばん大切なものは何か?
その問いの答えが「環境を変えること」なら、きっとその選択は間違っていません。
私の経験談|転職を焦って失敗した話と、成功したときの違い
「転職、やっぱりしないほうがよかったのかも…」
そう思ったことが、私には何度かあります。
ここでは、私が経験した「2回の失敗」と「1回の成功」の転職活動について、それぞれ何が違ったのかを正直にお話しします。
【失敗1】診断前の転職活動|“とにかく辞めたい”だけで動いた
私が最初に転職活動をしたのは、新卒で入社して約8か月の頃。
毎日がつらく、「今すぐにでも辞めたい」と思っていました。
でもこのとき、自分が適応障害の兆候にあることには気づいておらず、転職の目的も「逃げたい」だけで、軸はまったく定まっていませんでした。
転職エージェントを1社利用し、合計7社に応募。
書類が通ったのは1社だけで、面接前に体調が限界に達して病院を受診。
「適応障害」と診断され、転職活動は中断となりました。
今振り返れば、心身が限界に近い状態で、
「とにかく辞めたい」
と思って動いたことで、転職の精度も低く、エネルギーも持たなかったのだと思います。
【失敗2】休職中の転職活動|病歴をオープンにしすぎた
2回目の転職活動は、まさに適応障害で休職中の時期でした。
「復職したくない」「あの職場には戻れない」
そんな気持ちから、焦りで転職を急いでいました。
転職エージェント3社を使い、15社に応募。
病歴を正直に書類へ記載し、すべて書類落ちという結果に。
今思えば、
- 伝え方に配慮が足りなかった
- 希望条件が曖昧だった
- 紹介される求人が苦手な職種ばかりだった
というバランスの悪さが、失敗の大きな要因だったと感じます。
同じような失敗をしないために、当時の転職活動をさらに詳しくまとめた記事もあります。
「適応障害で転職しようとしたけど、うまくいかなかった…」 「頑張ってるのに、何社応募しても書類すら通らない…」 私もまさに同じ状況を経験しました。 実はこれまでに3回、転職活動をしたことがあります。 でも、そのうち最[…]
【成功】自己分析をして“軸”を持って臨んだ3回目の転職
3回目の転職は、復職してからしばらく経ったタイミングで、体調も安定していました。
このときはまず自己分析から始め、
「自分に合った働き方=リモート勤務・人との関わりが少ない環境」
という明確な軸を持って求人を探しました。
病歴はあえて公開せず、今働ける状態であることを前面に出してアピール。
結果的に、約50社中2社から内々定をもらい、希望の条件に合った職場に転職できました。
実際にどうやって成功につながったのかは、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
「適応障害があっても、転職ってできるのかな…?」 「一度休職した自分でも、ちゃんと働ける場所ってあるんだろうか…」 私もかつて、そんな不安を抱えながら転職活動をしていました。 実は私は、これまでに3回の転職活動を経験してい[…]
転職活動は、焦ってもいい結果にはつながりにくい。
むしろ、「いったん立ち止まる勇気」の方が、のちの成功につながることもあります。
私が感じた一番の違いは、「自分の気持ちと向き合ったかどうか」。
焦っていたときは、自分のことより“とにかく辞めたい”気持ちが先にありました。
でも、成功したときは、“自分がどう働きたいか”を大切にできていたと思います。
もし今、「転職するか迷っている」「うまくいくか不安」
と思っているなら、まずは“今の自分がどんな状態か”を見つめるところから始めてみてください。
転職する・しないを考えるうえで大切なこと
「転職すべきか、しないほうがいいのか」
迷っているあなたに、最後にお伝えしたいことがあります。
判断の軸は「今の体調・環境・価値観」
まず一番大切なのは、今の自分がどんな状態にあるかを見つめ直すことです。
「毎日がつらい」
「このままではもう限界」
そう感じているなら、転職は選択肢のひとつかもしれません。
でも、
「なんとなく不満」
「人間関係がモヤモヤする」
といった段階で、無理に環境を変えようとすると、かえってストレスになることもあります。
焦って決めるよりも、まずは自分の心と体を整えることが、結果的にうまくいく近道になる場合もあるんです。
自分に合った働き方を考えるヒントは、こちらの記事を参考にどうぞ。
「適応障害になってから、どんな仕事なら無理なく働けるんだろう?」 「また体調を崩したらどうしよう…」 転職を考えていても、そんなふうに不安でいっぱいになりますよね。 私自身も適応障害で休職したあと、復職・転職を経験しました[…]
「転職=正解」ではない
私たちはつい、
「転職すればきっと今よりラクになる」
と考えがちですが、それが必ずしも正解とは限りません。
職場環境の問題であれば、「異動」や「働き方の交渉」といった方法もあります。
また、「もう会社に行くのが無理…」
という状態であれば、一度しっかり休むことも、立派な選択肢です。
転職がゴールではなく、「自分が安心して働ける環境を選ぶ」ことが本当の目的です。
情報に振り回されすぎない
ネットやSNSを見ていると、
「みんな転職してうまくいっている気がする…」
そんなふうに感じて、余計に焦ってしまうことってありませんか?
でも、発信されているのは“成功した人の声”がほとんどです。
うまくいかなかった人や、立ち止まっている人の声は表に出づらいもの。
だから、比べなくて大丈夫です。
大事なのは、“今のあなたに合った選択”をすること。
それだけで、十分なんです。
決めきれないときは「保留」でもOK
どうしても判断できないときは、無理に答えを出さなくても大丈夫。
転職活動は、始めるタイミングも、進め方も、人それぞれ。
- 今はまだ情報収集だけ
- 気になる求人を眺めるだけ
そんな「ゆるい動き方」でも十分意味があります。
行動することだけが前進じゃない。
立ち止まって、自分を見つめ直すことも、立派な一歩です。
まとめ|転職しないという選択も、立派な選択です
「転職しようか、やめようか」
適応障害を経験したあとのキャリア選びは、とても難しい判断ですよね。
私自身も何度も迷って、焦って動いては失敗した経験があります。
この記事では、
- 無理に転職しない方がいいケース
- 自分を守るために転職してもいいケース
- 実際に私が転職を失敗、成功したときの違い
についてお伝えしてきました。
結局のところ、正解は一つではありません。
体調や状況、価値観は人それぞれだからこそ、「自分にとってどうか?」が一番大事なんです。
迷っているあなたへ、伝えたいこと
「転職しない」という選択も、ちゃんと“前向きな選択”です。
無理に今すぐ動かなくてもいいし、今は立ち止まってもいい。
回復を優先するのも、勇気ある選択です。
どんな道を選んでも、それはあなたが自分の人生を大切にしている証だと思います。
「今は無理かも…」と感じている方へ
もし今、転職活動がしんどいと感じているなら、こちらの記事も参考になるかもしれません。
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焦らず、あなたのペースで考えていきましょう。
- あなたがこれまで頑張ってきたこと
- 今も悩みながら前に進もうとしていること
それだけでもう、十分にすごいことです。
どんな選択も間違いではありません。
転職する・しないにかかわらず、あなたにとって心穏やかな未来が待っていますように。
必要なときは、またいつでもこの記事に戻ってきてくださいね。
退職後にどう過ごしたかについては、こちらの記事も参考にしてください。
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