メンタルヘルスの不調が原因で一度社会を離れた後、再び職場に戻ることは決して簡単ではありません。
私自身も、適応障害による休職と復職を何度か繰り返し、再び職場に戻るたびに新たな不安や葛藤を感じてきました。
周りの人にはわかりづらい心の問題が、自分にとって大きな壁となり、以前の自分と比べてしまったり、職場でのストレスに敏感になったりするのが現実です。
この記事では、適応障害を抱えながらも社会復帰に挑戦してきた私の体験をもとに、
「こころを病んでから社会復帰することの難しさ」
と、それを乗り越えるために役立った考え方や方法についてお話しします。
同じような悩みを抱える方が、少しでも前に進むためのヒントになれば幸いです。
こころを病んでから社会復帰するのは厳しいのが現実
メンタルヘルスの不調を抱えながら復職することは、思っている以上に大きな壁が伴います。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、
こころの病で休職した人のうち、復職できるのは４５.９％。
独立行政法人労働政策研究・研修機構
というデータがあります。
心身が安定しない状態で職場に戻ると、以前と同じ仕事であっても負担が大きく感じられ、思うように力が発揮できないことも少なくありません。
メンタルヘルスが低下した状態での復職がなぜ厳しいのか、適応障害で休職してから復職を果たした私の経験をもとにお話しします。
ストレス耐性が落ちている
社会復帰が難しい理由の一つは、休職中にストレス耐性が低下してしまうことです。
休職中はストレスを感じる場面が減り、自分のストレス耐性が落ちていることに気づかないかもしれません。
しかし、復職して再び多くの刺激やプレッシャーに直面すると、日常のささいな出来事にも敏感に反応してしまうことがあります。
たとえば、
- 決まった時間に起きて出社する
- 人とコミュニケーションを取る
- 電車に乗る
といった、以前は特に気にしていなかったようなことがストレスに感じられるかもしれません。
これらのことにストレスを感じやすくなると、心身が消耗しやすく、仕事に対する意欲や集中力も低下しやすくなります。
こうした状態が続くと、体調が不安定になり、復職後の生活に支障が出る可能性もあります。
社会復帰後にストレスが大きな負担となるのは、以前と同じ環境でも感じ方が変わってしまうからです。
このように、ストレス耐性が低下した状態での社会復帰は、想像以上に難しく感じられるでしょう。
病気になる前の自分の姿を追ってしまう
社会復帰が難しい理由の二つ目は、病気になる前の自分と今の自分を比べ、以前と同じように働けない自分に失望してしまうことです。
こころの病になると、以前のようにスムーズに仕事をこなすのが難しくなることもあります。
しかし、社会復帰をすると「昔の自分に戻りたい」という気持ちが強くなり、かえって無理をしてしまうことも少なくありません。
私自身、適応障害で休職後に復職した際、以前と比べてうまくできなくなったことに大きなギャップを感じました。
たとえば、以下のようなことです。
- 9〜18時まで集中して働くこと（定時時間のフル勤務）
- 期限を意識してスケジュールを組むこと
- 人と話すこと、話を聞くこと
- 新しいことを覚える、勉強すること
これらは社会生活や仕事に必要な能力ですが、復職後の自分には思うようにできませんでした。
以前は意識しなくてもできていたことが、今は意識しても思うようにできず、心の中で「自分は社会人として失格だ」と感じるようになり、自信を失っていったのです。
自信を失うと、漠然とした不安が心の中に膨らみ、日々の仕事への不安や疲労も増していきます。
そして、こころや体が不安定な状態で無理を続けると、病気の再発や悪化につながるリスクもあります。
このように、過去の自分と今の自分を比べ続けることは、復職を一層厳しいものにしてしまうのです。
周囲とのコミュニケーションや信頼関係の不安
復職すると、周囲の目が気になったり、職場での自分の居場所が感じられなくなったりすることもあります。
たとえば、同僚や上司が気を使って接してくれるのはありがたい反面、
「迷惑をかけているのでは？」
という罪悪感や、周りと打ち解けられない疎外感を覚えることも。
特に、適応障害などで休職した経験があると、無意識のうちに
「自分は周囲の期待に応えられていない」
と感じ、職場でのコミュニケーションがぎこちなくなる場合もあります。
こうした不安から、自分に自信が持てなくなったり、「職場に居場所がないのではないか」と感じてしまうことがあり、それがさらなるメンタル負担につながります。
職場での安心感や信頼関係が希薄になったと感じることで、復職後に心が落ち着かず、不安定さが増してしまうのです。
体力や集中力の低下による業務への影響
メンタルヘルスの不調は、心だけでなく体力や集中力にも影響を及ぼします。
復職後、思うように体が動かない、集中力が続かないという経験をする人も多いです。
特に、休職中は生活リズムが崩れていたり、体力が落ちていたりすることがあります。
そのため、職場復帰直後は長時間の業務が非常に負担に感じるでしょう。
簡単な業務をこなすだけで疲れてしまったり、対人関係に気を遣うだけで大きなストレスを感じたりするのは、よくあることです。
こうした体力や集中力の低下があると、
「頑張りたいけれど、体がついてこない」
と感じる場面が増え、再び自分に対して焦りや苛立ちを覚えてしまいがち。
結果として、業務に集中できず、成果が上がらないことで自己嫌悪に陥ることもあり、それがまた復職の厳しさを感じさせる要因となっています。
こころを病んだ人が社会復帰して働くために必要なこと
社会復帰をしても、精神的にも身体的にも無理なく働き続けられる環境を作ることは簡単ではありません。
社会復帰後に安定して働き続けるためには、日々の仕事の中でストレスや体調の管理に配慮し、自分を守るための工夫が必要です。
ここでは、働き続けるためにできる具体的な行動や考え方を、いくつかのポイントに分けてご紹介します。
ストレスを減らすための行動や考え方
社会復帰する際に大切なのは、ストレスを減らすための行動や考え方を意識的に取り入れることです。
こころを病んで休職した場合、ストレス耐性が落ち、復職後は以前よりもストレスを敏感に感じ取ってしまいます。
復職先の環境や人間関係を自分で変えるのは難しいため、自分自身の行動や考え方を工夫してストレスを軽減していくことが必要です。
ここでは、具体的なストレス対策として取り入れやすい行動と、前向きな気持ちを保つための工夫について紹介します。
自分に合った「ストレス管理」の習慣を見つける
社会復帰後に長く働き続けるためには、日々の生活で自分に合った「ストレス管理」の習慣を見つけることが重要です。
たとえば、こまめに休憩を取ったり、タスクをシンプルに管理するなど、小さな習慣が日々のストレスを減らす助けになります。
仕事の終わりには、その日の出来事を振り返り、「良かったこと」や「小さな達成」を簡単に記録しておくのもおすすめです。
こうした習慣を積み重ねることで、自分のペースを保ち、無理なく働けるようになります。
また、ストレス管理をするうえで「完璧を目指さない」という心構えも大切です。
私自身、適応障害で初めて休職したときには、心の病気について知識がなく、ストレスの原因に対して特に対策をせずに復職しました。
その結果、小さなストレスに敏感になり、次第に体調が悪化してしまったのです。
最終的には、無理をし続けたことで家から出られなくなり、再び休職することになりました。
この経験から、ストレスを少しでも減らすための「自分に合った方法」を見つけることが、長く働き続けるために不可欠だと痛感しました。
「完璧にこなす必要はない」「できることから少しずつ取り組めばいい」
という考え方を大切にし、自分の負担を減らしながら働ける習慣を見つけていくことが大切です。
ポジティブな気持ちを持てる工夫を取り入れる
働き続けるためには、心が前向きになれる工夫も重要です。
たとえば、頑張った自分へのご褒美を用意したり、リフレッシュの時間をあらかじめスケジュールに組み込むことで、仕事への張り合いが生まれます。
好きなカフェでリラックスしたり、週末に趣味を楽しむ時間を決めたりと、自分をリフレッシュさせる時間を意識的に取り入れることで、無理なくポジティブな気持ちを保つことができるでしょう。
また、日々の業務を少しずつ進めていくことで、達成感や満足感を得ることも大切です。
小さな目標を達成するたびに「よくやった」と自分を認めることで、前向きな気持ちを維持できます。
こうしたポジティブな気持ちの積み重ねが、ストレスを和らげ、安定して働き続けるための土台となります。
以前と同じ頑張り方をするのではなく、自分を少しずつ励ましながら働き続けられる工夫を見つけましょう。
結果的にメンタルを守り、仕事を続けるための力になりますよ。
体調の変化を見逃さない
社会復帰後に心身の健康を守るためには、体調や心の状態を日々意識し、わずかな変化にも気づく習慣を持つことがとても大切です。
こころの病は再発率が高く、
「うつ病では約50％が再発し、再発を繰り返すたびに再発率が上昇する」
とも言われています。
そのため、自分の心身の状態を常に把握し、再発を予防することが必要です。
ここでは、具体的な方法についてお伝えします。
メンタル面・体調面の「セルフチェック」を行う
復職後も健康を保つためには、自分の体調やメンタルの状態を定期的に振り返る「セルフチェック」の習慣が欠かせません。
たとえば、簡単な「体調日記」をつけて気分や体調の変化を記録するのも効果的です。
日記には「今日は体が重い」「仕事中に頭痛があった」といった気分の波や体の状態を簡単に書き記しておくことで、心身の変化に早く気づくことができます。
私自身、初めて適応障害で休職したときには「短期間休んだから大丈夫だろう」と思い、体調よりも復職を優先しました。
しかし、復職してすぐに頭痛や無気力感、腹痛、不眠といった体調不良が現れ、心身の変化を感じながらも
「すぐにまた休んだら周囲に申し訳ない」
「会社からの評価が落ちてしまうかも」
と思い、無理をしてしまったのです。
その結果、体調がさらに悪化し、長期の休職が必要になりました。
この経験から、復職後は「自分が思っているよりも心身が傷ついている」と意識することが大切だと学びました。
日々のセルフチェックを通じて、無理をする前に自分をいたわる機会を持つことで、早めに心身のバランスを整えやすくなります。
定期的な相談や診察を取り入れる
心身の健康を守るためには、専門家のサポートも重要です。
心療内科やカウンセリングを定期的に受け、信頼できる医師やカウンセラーと話すことで、自分では気づかなかった改善点やストレス対策のヒントをもらうことができます。
社会復帰後はつい無理をしてしまいがちですが、専門家との対話の機会を持つことで、自分に合った働き方やケア方法が見つかりやすくなります。
再発を防ぐためには、心や体に何かしらの変化が起きたときに、早めに対応することが大切です。
無理をせずゆっくり休んだり、医師に相談して適切なアドバイスをもらうことで、心の負担が軽減され、日々の生活や仕事において少しでも楽になる方法が取り入れやすくなります。
専門家からのサポートを定期的に受けながら、自分にとって無理のない働き方を模索していくことで、安定した働き方を続けやすくなるでしょう。
無理をしないための「働き方」と意識
社会復帰後も無理をせず、長く働き続けるためには、自分を守るための「働き方」や仕事に対する意識を見直すことも大切です。
ここでは、セルフルールを決めて働く方法や、仕事に対する意識の持ち方について見ていきます。
セルフルールを決めて働く
社会復帰後に無理なく働き続けるためには、「無理をしない」というセルフルールを設けることが重要です。
こころの病からの復職では、休んでいた分を取り戻そうと頑張りすぎてしまいがち。
しかし、復帰直後は心身ともに不安定な状態であり、過度な負荷をかけると体調を崩し、再発に繋がる可能性もあります。
そのため、自分のペースで無理をしない働き方を心がけることが大切です。
私自身も「適度に手を抜く」というセルフルールを意識しています。
無理をしないために「手を抜く」と聞くとネガティブな印象を受けるかもしれませんが、これはストレスを減らし、心身を守るために必要なことです。
こころを病むとエネルギーがすぐに消耗してしまい、普通に生活するだけでも精一杯な状態になります。
そのため、復職後に集中力を長時間維持するのは非常に難しく、適度に休憩を取りながらエネルギーを節約することが重要です。
私が実践しているのは、小休憩を多めにとり、疲れ切る前に休むこと。
たとえば、以下のような方法で適度に仕事の手を止め、意識的に休憩を挟むようにしています。
- 5〜10分ごとに水を飲む
- トイレに行って一息つく
- 座ったまま何も考えずにボーっとする
これらの小休憩のポイントは、仕事から定期的に意識を離し、心身をリセットすることです。
体だけでなく、こころも休める時間を意識的に確保することで、エネルギーを回復しやすくなり、働き続けるための余力が生まれます。
適度に手を抜き、エネルギーを節約しながら働くことで、社会復帰後の疲れやすい状態でも無理をせず、安定して働き続けられるようになるでしょう。
「仕事＝生活費」と割り切って心に余裕を持つ
社会復帰後に安定して働き続けるには、仕事に対する意識をシンプルにすることも効果的です。
「仕事は生活費を得るための手段」
と割り切ることで、過度なプレッシャーや焦りを感じず、心に余裕を持って働けるようになります。
もちろん仕事に全力を尽くすことも大切ですが、人生のすべてを仕事にかける必要はありません。
私もこころの病で休職した後、
「仕事で成果を上げたい」
「この仕事で上を目指したい」
といった以前の考え方ではモチベーションを保つことが難しくなりました。
しかし、休職中に預金残高が減っていく不安を経験したことで、「生活費のために働く」というシンプルな目的を持つように。
これにより、周囲の評価や出世を気にせず、自分の業務に淡々と集中できるようになり、一定のモチベーションも維持しやすくなりました。
このような考え方が身につくと、たとえ仕事でうまくいかないことがあっても、「生活のために働いている」と割り切れるため、必要以上に自分を責めずに済みます。
また、仕事に対して過度な期待やプレッシャーを感じることなく取り組めるので、心身への負担も減り、安定して働き続けやすくなるでしょう。
ただし、「生活費のため」と割り切る考え方だけで長期的なモチベーションを保つのは難しいこともあります。
こころや体の調子に余裕が出てきたら、少しずつ自分が興味を持てることや得意なことを見つけ、働く目的や目標を増やしていくのも良いでしょう。
まずは「生活費のため」と考えることで心に余裕を作り、無理のない働き方を続けられるようになると、結果として前向きな気持ちで働けるようになるはずです。
適応障害を抱えたサラリーマンの新しい働き方
適応障害を抱えながら社会復帰を目指す場合、無理なく働き続けるためには従来の働き方を見直すことが大切です。
そこで、こころの病で休職してから復職して働いている私が安定して働き続けるための具体的な工夫や意識の持ち方を紹介します。
無理をしない働き方
適応障害を抱えていると、職場での業務が時に大きな負担になることがあります。
そのため、「無理をしない」ということを意識した働き方を取り入れることが大切です。
ここでは、無理をしないための具体的な工夫について紹介します。
「できること」に集中し、無理をしない
適応障害を抱える中で無理なく働き続けるためには、「すべてを完璧にこなす」のではなく、「今の自分ができる範囲で取り組む」ことが大切です。
仕事を進める際には、優先順位をつけて最も重要なタスクから取り組むように意識しましょう。
すべてに全力を注ごうとせず、「今できることだけ」に集中することで、無理なく進められます。
自分の体調や気分に応じて取り組み方を調整し、できる範囲で少しずつ前に進む意識が、安定した働き方の基盤になりますよ。
周囲に頼りやすい環境を作る
一人で抱え込まず、周囲のサポートを受けやすい環境を作ることも重要です。
適応障害の症状があると、時に自分一人で対応するのが難しいこともあります。
こういった状況に備え、上司や同僚と定期的にコミュニケーションをとり、自分が困ったときや体調が悪いときにサポートしてもらえる関係を築いておきましょう。
周囲と良い関係を築くことで、自分の状態をオープンにしやすくなり、無理をせずに働きやすくなります。
仕事に対する意識を変えて心に余裕を持つ
適応障害を抱えながら働き続けるには、仕事に対する意識を見直すことも効果的です。
無理のない気持ちで仕事に取り組むためには、完璧を求めすぎず、仕事とプライベートのバランスを大切にすることがポイント。
以下に、心に余裕を持って働くための具体的な方法を紹介します。
「完璧」を求めず「適度な成果」でOKとする意識
仕事に対して「完璧にやりきる」ことを求めすぎず、「適度な成果で十分」という意識を持つことで、自分にかけるプレッシャーを軽くすることが大切です。
適応障害を抱えている場合、以前のようにすべてをこなすのは難しいこともあります。
「自分の健康を守ることが一番の優先事項」と意識し、無理なく取り組める範囲で成果を出すことを目指しましょう。
適度な成果でOKという意識を持つことで、心の負担が軽減され、安定した気持ちで働き続けられます。
仕事とプライベートの線引きをしっかり行う
仕事とプライベートをしっかりと分けることも、心の余裕を持って働くためには欠かせません。
たとえば、業務時間外には仕事から離れてリフレッシュすることを意識し、家族や友人との時間を充実させることで、気持ちをリセットできる場が持てるようになります。
仕事とプライベートの線引きを行うことで、精神的にも安定しやすくなり、心に余裕を持ちながら仕事に取り組むことができますよ。
自分なりのペースを保ちながら働く工夫
適応障害を抱える中で無理せず働き続けるには、自分に合ったペースを保ちながら進める工夫も必要です。
自分のペースを守ることで、体や心にかかる負担を軽減し、継続的に働くことが可能になります。
以下に、そのための具体的な方法を紹介します。
休憩やリフレッシュの時間をあらかじめ設定する
自分のペースを保ちながら働くためには、定期的な休憩やリフレッシュの時間をあらかじめスケジュールに組み込む工夫が役立ちます。
たとえば、集中力が落ちてきたと感じたタイミングで休憩を取ったり、ランチタイムをしっかり確保したりすることで、心身をリフレッシュしながら無理なく働けるようになります。
あらかじめリフレッシュの時間を設定しておくことで、余裕を持って仕事を進められ、負担を減らすことが可能です。
一日のタスクを小さく分け、少しずつ進める
一日のタスクを小さく分け、段階的に少しずつ進めることで、負担が軽減され、達成感を得やすくなります。
大きな仕事でも、小さなステップに分けて進めることで「進んでいる」という感覚が得られ、モチベーションも保ちやすいです。
自分のペースを守りながら少しずつ進めることで、日々の仕事に対する心の負担が減り、安定した働き方が実現しやすくなります。
柔軟な働き方の選択肢を活用する
柔軟な働き方を取り入れることも、適応障害を抱えながら無理なく働くために役立ちます。
職場にリモートワークやフレックスタイム制度が導入されている場合は、それらを積極的に活用して、自分の体調や状況に合った働き方を模索してみましょう。
具体的な方法を以下でご紹介します。
リモートワークやフレックスタイムを活用する
リモートワークやフレックスタイム制度が導入されている職場であれば、積極的に活用して柔軟な働き方を取り入れることをおすすめします。
リモートワークにより通勤の負担が減り、フレックスタイム制度を使うことで自分に合った時間帯で働けるようになるため、無理なく働き続けやすくなります。
実際、私は適応障害になってから通勤が大きなストレスになったので、リモートワーク中心の会社に転職しました。
柔軟な勤務形態を選ぶことで、体調や気分に合わせた働き方が可能になり、心の負担も軽減されやすくなります。
定期的に働き方を見直し、無理なく働ける方法を模索する
自分にとって最適な働き方は、生活状況や心身の状態によって変わることもあります。
そのため、定期的に「この働き方で無理をしていないか」を見直し、必要であれば勤務時間や勤務方法を調整することが大切です。
私も適応障害で休職した後は、元職場に復帰するだけでなく、異動や転職を経験しました。
自分に合った働き方を模索し続けることで、安定して無理なく働き続けられる方法が見つかりやすくなります。
ブログや副業をメンタルケアの一環として取り入れる方法
適応障害やメンタル不調を抱えながら働き続けるには、心のケアも非常に大切です。
そんな中で、ブログや副業はメンタルケアの一環として大きな効果を発揮します。
ここでは、ブログや副業がメンタルに与える良い影響や、具体的な取り入れ方について紹介。
ブログを通じたメンタルケアのメリット
ブログは、メンタルケアに効果的な自己表現の場として活用できます。
自分の思いや日々の経験を発信することで心が整理され、自分に対する理解も深まるからです。
ブログがメンタルケアとして役立つ具体的な理由を以下にまとめました。
自己表現や感情の整理の場として活用する
ブログを書くことは、心の中にある気持ちやもやもやを言葉にする作業です。
自分の気持ちを言語化し、日々の出来事を振り返ることで、心が整理され、ストレスが和らぐこともあります。
書きながら気持ちを整理することで、自然と冷静になり、自分自身への理解が深まるのも大きなメリットです。
さらに、ブログを通して自分の思いを外に発信することで、同じような経験をした人から共感を得られることもあります。
こうした経験が孤独感を和らげ、メンタルの安定に繋がることが期待できるでしょう。
ブログの継続がもたらす「成長感」と「達成感」
記事を定期的に書き続けると、ブログに少しずつ記事が積み重なり、「自分は続けられている」という達成感が生まれます。
ブログが育っていく様子は「自分も成長している」という実感に繋がり、自己肯定感もアップ。
継続することで「自分にもできる」という自信が生まれ、少しずつ前向きな気持ちが芽生えていきます。
こうしたポジティブな感情が、ブログを通じたメンタルケアの重要な役割になります。
副業としての小さな成功体験がもたらす効果
ブログや副業での小さな成功体験は、自己肯定感を高め、心の支えになります。
ここでは、具体的にどのような体験がメンタルケアに繋がるのかを見ていきましょう。
読者の反応や収益が「成功体験」に繋がる
ブログを書いていると、記事にコメントがついたり、SNSでシェアされたりと、読者からの反応が得られることがあります。
こうした反応があると、「自分の取り組みが評価されている」と感じ、ブログへの意欲が高まります。
また、ブログ収益が少しでも発生したときには、達成感が得られ、自己肯定感も向上するでしょう。
たとえ収益がわずかであっても、「自分の書いたものが価値を生み出している」と実感できるのは、大きな励みになります。
このように、ブログや副業を通じて得られる「小さな成功体験」は、メンタルにポジティブな影響があるのです。
「小さな成功」を積み重ねて自己肯定感を高める
副業やブログを通じて小さな成功体験を積み重ねることで、自分の努力や取り組みが確実に評価されていると感じる機会が増えるでしょう。
この「小さな成功」を積み重ねていくことで、「自分にはできることがある」と思えるようになり、自己肯定感が高まっていきます。
自分のペースで取り組み、小さな成功を積み上げていくことで、気持ちの安定にも繋がります。
こうした経験が日々の生活を支え、メンタルケアとしての効果を発揮するのです。
副業がもたらす「会社に依存しない安心感」
副業で少しでも収入が得られるようになると、会社に頼りすぎずに心の余裕を持って働くことができるようになります。
収入源が複数あることで精神的な安心感が生まれ、メンタルの安定に繋がるでしょう。
ここでは、具体的にどのような安心感が得られるかを説明します。
収入源が複数あることで得られる精神的な安心感
会社以外の収入があることで、
「今の職場でどうしても続けられないと感じたときにも他の選択肢がある」
と思えるようになります。
このように、会社だけに依存しない選択肢があることで、仕事に対する気持ちも楽になり、日々のストレスや不安を和らげることが可能です。
特に適応障害などで悩む場合、収入源が複数あるということは、自分の体調や環境に合わせて働き方を見直すための心の余裕にも繋がります。
「自分の力で稼ぐ」という自信が心を支える
副業で収入を得ることで、
「会社に頼らずに自分の力で稼ぐことができる」
という自信が生まれます。
この自信があることで、「自分には他にも道がある」と感じられるようになり、精神的にも安定しやすくなります。
「自分にもできる」という気持ちは、日々の生活を前向きに支える大きな要素です。
副業がもたらすこの安心感が、メンタルケアとしての重要な役割を果たしてくれますよ。
まとめ：メンタルヘルス不調からの社会復帰なら工夫が必要
適応障害やメンタル不調を抱えながら社会復帰を目指すことは、決して簡単なことではありません。
復職後も長く働き続けるためには、無理をせず自分のペースを守りながら働く工夫が必要です。
日々のストレスを管理したり、体調の変化に気を配ったりすることはもちろん、仕事に対する意識を柔軟に変え、プライベートの時間を充実させることで、心の余裕が生まれるはずです。
また、ブログや副業を通じて自分の気持ちを整理し、小さな成功体験を重ねることで、メンタルケアの一環としての効果も期待できます。
会社に依存しない収入源があることで生まれる安心感が、働き方に対する柔軟さや選択肢を増やし、精神的な安定にもつながるでしょう。
大切なのは、焦らず、自分に合ったペースで一歩ずつ進むことです。
今の自分にできることを少しずつ重ねることで、少しずつ前向きな気持ちが生まれ、働き方や日々の生活においてもポジティブな変化が感じられるかもしれません。
適応障害を抱えながらも、自分らしい働き方と生活を築いていけるよう、無理せず歩んでいきましょう。
