適応障害で休職中に引っ越しした話|環境を変えて心が少し楽になった理由

「休職中に引っ越しって、しても大丈夫なの?」

「体調が安定しない中で、そんな大きな決断していいのかな…。」

そんな不安を感じている方も多いと思います。

私も、適応障害で休職していた9ヶ月目に、地元へ引っ越すことを決めました。

正直、体力も気力もギリギリ。

それでも、結果的に「引っ越してよかった」と思える経験になりました。

この記事では、

  • 休職中に引っ越しを決めた理由
  • 準備中に感じたストレス
  • 引っ越し後のメンタルの変化

などを、私の体験をもとにまとめています。

「今の環境がつらい」

「引っ越したいけど、不安で動けない」

そんなふうに悩んでいる方の、少しでも参考になればうれしいです。

スポンサーリンク

休職中に引っ越しってアリ?【私のケース】

「休職中に引っ越しなんて、無理なんじゃないか…」

そう思っていた私ですが、結果的に引っ越してよかったと感じています。

ここでは、私が引っ越しを決めたタイミングや、そのときの状況についてお話しします。

私は「休職9ヶ月目」に引っ越しました

私が引っ越しをしたのは、休職してからちょうど9ヶ月ほど経った頃でした。

適応障害と診断されてすぐの時期は、外に出ることすらつらくて、引っ越しなんてとても考えられなかったんです。

でも、少しずつ体調が落ち着いてきて、「そろそろ何か変えたい」と思えるようになっていました。

タイミングとしては「ちょうどよかった」

ちょうどその頃、住んでいた物件の更新時期が迫っていました。

家賃も決して安くはなく、このまま住み続けるのは正直キツいなと感じていました。

そんなときに、ちょうど良い物件を地元で発見。

しかもコロナの給付金を活用することで敷金・礼金の負担も抑えられることに。

「金銭面での負担が少ない今なら動けるかもしれない」

そう思えたのが、大きなきっかけになりました。

夫婦で話し合って出した決断

実は、結婚当初から「将来的には地元に戻りたいね」と妻とよく話していました。

ただ、通勤のことを考えると、なかなか踏み切れずにいたんです。

でも、私が休職したことで“今は通勤を気にせず動ける”状態に。

「このタイミングなら地元に帰れるかも」

そう考えて、夫婦で話し合い、思い切って引っ越しを決めました。

引っ越しして「よかった」と思えた理由

正直、引っ越しの準備は大変でした。

でも、結果的にこの引っ越しは、私にとって大きな転機になったと思っています。

慣れ親しんだ地元に戻れたことで、気持ちが少し落ち着きました。

“知らない場所”にいるときには感じていた不安が、スッと軽くなったのを覚えています。

退職後の再出発についてリアルな体験談を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

関連記事

私は、転職先を決めたうえで退職をしました。 いわゆる“円満退職”に近い形ではあったと思いますし、引き継ぎも終え、有給消化に入ったときには、 「ようやく休める」 と少しホッとした気持ちもありました。 でもその反面、心の[…]

なぜ地元への引っ越しを決めたのか?

私が地元への引っ越しを決めたのには、いくつかの理由がありました。

当時の状況や心の状態、金銭面など、いろんな要素が重なって「今しかない」と感じたんです。

引っ越し先を「地元」に決めた理由

引っ越しを考えたとき、真っ先に頭に浮かんだのが「地元に戻ること」でした。

もともと、妻とも「いつかは地元に帰りたいね」と話していたんです。

私と妻は地元が同じだったので、引っ越し先の候補はすぐに絞ることができました。

実家も近くにあるし、住み慣れた場所なので土地勘もあります。

どこに何があるか分かっているだけで、精神的なハードルはグッと下がりますよね。

「何もかもが初めての土地」よりも、「よく知っている安心できる場所」で休むほうが、回復に向けて良い影響があるのではと思いました。

なぜ今、動くことにしたのか?

では、なぜそのタイミングで引っ越しを決めたのか?

いくつかの理由が重なったことがきっかけでした。

まずひとつは、住んでいた物件の更新時期が近づいていたこと。

更新料を払って住み続けるくらいなら、環境を変える選択もアリかもしれないと思ったんです。

それに、休職生活にも少しずつ慣れてきて、体調も気持ちも落ち着いてきたことで、物件を探したり引っ越しについて考える余裕が出てきました。

ネットで物件情報を調べる時間や気力が持てたのも、このタイミングならではだったと思います。

そしてなにより、安心できる環境で過ごしたいという気持ちが強くなっていました。

慣れない土地にひとりで引きこもっているより、住み慣れた地元に戻って、少しでも心が落ち着く場所で過ごしたかったんです。

家賃も少し安くなる見込みがあったので、金銭的にも余裕ができれば心にも余裕ができるのでは…という思いもありました。

引っ越しや転職など、環境を変えるべきか迷ったときの考え方は、こちらの記事も参考になります。

関連記事

「このまま会社にいても、よくなる気がしない…」 「でも、今の状態で転職なんて本当にできるのかな?」 適応障害を経験すると、 「転職したほうがいいのか、それとも今はやめておくべきか」 で迷うことが多いですよね。 […]

引っ越し前に心配だったこと

とはいえ、決断するまでにはたくさんの不安もありました。

  • 本当に今、動いて大丈夫なのか?
  • 引っ越し先の環境が合わなかったらどうしよう?
  • 会社にはどう伝えたらいい?

何かを決めるにもパワーがいる時期だったので、正直すごく迷いました。

でも今振り返ると、不安がゼロになったから動いたというよりは、“ある程度の覚悟とサポートが揃ったから一歩踏み出せた”という感覚に近いです。

引っ越しの準備で感じたストレス

引っ越しを決めたことで少し前向きな気持ちになったものの、準備が始まってからは思っていた以上にストレスを感じることが多くありました。

ここでは、実際に私がどんなことでしんどさを感じたのか、その時の様子を振り返ってみます。

準備が始まってから一気に忙しくなった

地元への引っ越しが決まってからは、あっという間にいろいろな準備が始まりました。

物件の契約や荷造り、手続き関係など、やることが一気に増えてバタバタ。

心も体も完全に回復していない状態だったので、

「ちょっとずつ休みながら準備しよう」

と思っていたのに、現実はなかなかそうはいかず…。

「体力はないのに、やることは山ほどある」

そのギャップがすごくしんどかったのを覚えています。

ストレスに感じた具体的なこと

特にストレスを感じたのは、手続きや連絡まわりの作業でした。

  • 不動産とのやり取り(電話での調整や契約)
  • 電気・ガス・水道の契約変更
  • 役所での住所変更の手続き
  • 引っ越し業者の選定とスケジュール調整

一部はネットでできるものもありましたが、ほとんどは電話でのやり取りが必要でした。

正直、家族以外と話すのが久しぶりで、それだけでかなりのストレスでした。

電話をかけるだけでも緊張して、パニックになりそうなことも…。

どうしても不安なときは、事前にパソコンで話す内容をメモに書いて、それを見ながら電話するようにしていました。

私なりの乗り越え方

全部を自分だけで抱えるのは無理だと思ったので、妻とできるだけ分担しました。

「できないところは頼る」

これが精神的にも体力的にも、すごく大事だったと思います。

完璧にこなすことよりも、「必要最低限こなせればOK」くらいの気持ちでいたことも、今思えばよかったかもしれません。

今振り返って思うこと

正直、引っ越し準備はめちゃくちゃ疲れました。

でも、「それでも一歩ずつ進めた」ことは、自信につながったとも感じています。

休職中でも、誰かと協力したり、自分なりのやり方を工夫すれば、少しずつでも前に進むことができる。

そう思えるようになったのは、この引っ越しを経験したからかもしれません。

引っ越ししてよかったと感じた4つの理由

正直、引っ越しの準備中は本当にしんどくて、「やっぱりやめておけばよかったかな…」と思った瞬間もありました。

でも、実際に引っ越しを終えて生活を始めてみると、「あのとき動いてよかったな」と思える場面がいくつもありました。

ここでは、私が引っ越しをしてよかったと感じた4つの理由をご紹介します。

地元という安心感があった

一番大きかったのは、「慣れ親しんだ場所に戻った」という安心感です。

見慣れた景色、知っている道やお店、地元の雰囲気。

そういったものに囲まれているだけで、自然と心が落ち着くような感覚がありました。

実家も近かったので、頼れる人が近くにいるという安心感も大きかったです。

ちょっとしたことで「ひとりじゃない」と思える環境は、想像以上に心の支えになりました。

引きこもりがちだった自分が、少しずつ外に出られるようになったのも、こうした「安心できる環境」のおかげだったと思います。

外に出やすくなった

前に住んでいた場所は、周りに何もなくて、徒歩圏内にスーパーが1軒あるだけでした。

車も自転車も持っていなかった私は、完全に引きこもりがちに…。

外に出たい気持ちがあっても、「どこに行けばいいのか分からない」という状態だったんです。

でも、地元は生活圏が分かっているので、気軽に買い物や散歩に出かけられるようになりました。

“慣れている環境”というだけで、外に出るハードルがかなり下がりました。

家賃が下がって金銭的に余裕ができた

休職中は収入が減るので、毎月の固定費、とくに家賃が精神的な負担になっていました。

引っ越しを機に家賃が下がったことで、毎月の出費に対する不安がかなり軽くなりました。

「今月も大丈夫かな…」

と悩む時間が減るだけで、気持ちに余裕が生まれたんです。

家計が少しでも安定すると、

「とりあえず生活はなんとかなる」

と思えるようになります。

それが、焦りや将来への不安を和らげてくれた気がします。

体調が落ち着いていたタイミングだった

引っ越しをしたのは、ちょうど休職から9ヶ月が経った頃。

体調もある程度落ち着いていて、判断力や気力が少しずつ戻ってきていた時期でした。

だからこそ、物件を探したり、引っ越しの手続きを進めたりといった作業にも、無理なく取り組めたのだと思います。

もちろん疲れることもありましたが、

「ひとつずつ進めることができた」

という達成感が、自信にもつながりました。


私の場合は、この4つの条件がたまたま重なったことで、

「引っ越してよかった」

と素直に思えました。

でも、だからといって「休職中に引っ越したほうがいい」とは思いません。

大切なのは、「今の自分にとって必要な環境は何か?」を自分自身で見極めることだと思います。

無理に動く必要はありません。

でももし、「変わることで楽になるかもしれない」

と感じているなら、環境を見直してみるのもひとつの選択肢かもしれません。

休職中に引っ越しを考える人へのアドバイス

ここまで私の体験をもとに、休職中の引っ越しについてお話してきました。

ここでは最後に、これから引っ越しを検討している方に向けて、体験を通して感じたアドバイスをまとめてみます。

無理はしない。まずは体調を最優先に

引っ越しは体力も気力も必要な大きなイベントです。

体調が不安定な時期に無理して動こうとすると、準備の途中で疲れ切ってしまったり、思わぬミスにつながることもあります。

私自身、体調が落ち着いてきた9ヶ月目だったからこそ、なんとか乗り越えることができました。

まずはしっかり休むこと。

心と体に少しでも余裕が出てからでも、引っ越しは遅くありません。

タイミングは「今、動けそうかどうか」で決める

「いつ引っ越すべきか」とタイミングを悩む方も多いと思います。

でも、正解のタイミングなんてものはなくて、大事なのは「今の自分が動けそうかどうか」だと思います。

私の場合は、物件の更新時期や金銭面の都合もあり、自然と「今かも」と思える流れができていました。

焦らず、自分の気持ちと体の状態に耳を傾けて判断してみてください。

誰かに頼っていい

私は、手続きや荷造りを妻に助けてもらいました。

正直、ひとりでは絶対に無理だったと思います。

家族やパートナー、友人など、頼れる人がいるなら遠慮せずに頼ってください。

自分ひとりですべてを抱え込む必要はありません。

できない自分を責める必要もありません。

「頼っていいんだ」と思えることも、休職中にとても大事な気づきのひとつです。

引っ越し先は「安心できる場所」を基準に

私が地元を選んだのは「安心できる」と感じたからです。

ただ、必ずしも「地元=安心」とは限りません。

むしろ、地元に嫌な思い出がある人にとっては、逆効果になることもありますよね。

大事なのは、「自分が安心して過ごせる場所かどうか」です。

病院やスーパーが近くにあるか、静かに休める環境か。

そういった要素を、自分の視点で見極めることが大切です。

休職中の引っ越し先は会社に通える範囲にする

休職中だからといって、引っ越し先がどこでも自由というわけではありません。

休職中はあくまで「会社に籍がある状態」です。

そのため、復職を前提とした対応を会社側は期待しているという前提を忘れてはいけません。

引っ越し先があまりにも遠いと、

  • 復職する気がないのでは?
  • もしかして転職先が決まっているのでは?

と、会社に不信感を与えてしまう可能性もあります。

私は休職中に地元へ引っ越しましたが、会社へは電車で片道1時間以上かかる場所でした。

とはいえ、通勤がまったく不可能な距離ではなかったので、会社から何か言われることもありませんでした。

もし「もう復職は考えていない」「いずれ退職するつもり」という場合でも、遠方への引っ越しは退職してからの方が無難です。

会社との関係を円満に保つためにも、引っ越し先の場所はよく考えて決めるようにしましょう。

引っ越し後に転職活動を考えている方は、履歴書・職務経歴書での空白期間の扱いについてもこちらの記事でチェックしておきましょう。

関連記事

適応障害で休職や退職を経験したあと、転職活動を始めようと思ったときに、まず悩むのが、 「履歴書や職務経歴書、どう書けばいいの?」 ということではないでしょうか。 空白期間のこと、病歴のこと。 正直に書くべきか、書かな[…]

会社への連絡は忘れずに

引っ越しによって住所が変わる場合は、休職中であっても会社に報告が必要です。

連絡を入れておくことで、「復職の意思がある」と会社側に伝わるという面もあります。

私も事前に会社に連絡をしました。

産業医の方から、

「引っ越しはストレスがかかるから、無理しないように」

と心配いただきましたが、手続きなどは問題なく引っ越しできました。

ちょっとしたことですが、信頼関係の維持にもつながると思います。


私の場合は、地元への引っ越しが心の回復にプラスになりました。

でも、それがすべての人に当てはまるわけではありません。

「今の場所では休めない」「少しでも気持ちを楽にしたい」

そう感じているなら、環境を変えることを選択肢のひとつとして考えてみてもいいと思います。

大切なのは、“自分が安心して休める場所”を選ぶこと。

そのためにどうすればいいか、ゆっくり考えてみてくださいね。

まとめ:私にとって「引っ越し」は、前に進む小さなきっかけだった

休職中に引っ越しをするというのは、正直とても勇気がいる決断でした。

「今の自分にそんなことができるのか…」

と不安もありましたし、準備の途中で心が折れそうになったことも何度もあります。

でも、引っ越しを終えて生活が落ち着いた今、「あのとき思い切って動いてよかった」と心から思えています。

新しいことを始めるというより、安心できる場所に戻るという選択が、私の心に余白をつくってくれたのかもしれません。

無理に動かなくていい。でも「選択肢」があることは知ってほしい

この記事でお伝えしたかったのは、

「休職中でも引っ越しできるよ!」

ということではありません。

むしろ、体調が不安定なときに無理して動く必要はまったくないと思います。

ただ、

「今の環境がどうしてもしんどい」

「安心できる場所で休みたい」

そんなふうに思っている方には、“環境を変える”という選択肢もあるんだよということを知ってもらえたら嬉しいです。

どこに住むか、どう過ごすか。

それを自分の心に合わせて選んでいいんです。

私と同じように悩んでいるあなたへ

適応障害や休職という言葉は、誰にとっても軽いものではありません。

「ただでさえつらいのに、これ以上変化に耐えられるか不安」

そんな気持ちもよく分かります。

でも、少しずつ、できることから動いてみるだけでも、気持ちが変わることはあります。

私にとっては、それが「引っ越し」でした。

きっと、あなたにとっての小さなきっかけも、どこかにあると思います。

この体験談が、そのヒントのひとつになればうれしいです。

広告
最新情報をチェックしよう!